個人事業主は赤字でも確定申告が必要?メリット・デメリットや資金調達方法も紹介

確定申告は、本来、所得を申告し、所得税を正しく納付するための手続きです。所得が赤字になった個人事業主や自営業の方のなかには、確定申告が必要かどうかわからない方もいるのではないでしょうか。
赤字でも確定申告が必要なのか、また、赤字の状態で確定申告をするメリットやデメリットを紹介します。赤字のときに検討できる資金調達方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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個人事業主は赤字でも確定申告が必要?
本来、確定申告は所得が20万円を超える場合に実施するものです。確定申告により所得を申告し、正しく所得税を計算して、正しい期間に納税します。
所得とは、収入から経費などを差し引いた金額です。経費などが収入を上回るときには所得が赤字となり、申告する所得がマイナスになるため、本来であれば確定申告する必要はありません。
しかし、赤字でも確定申告するほうがよいこともあります。赤字のときにあえて確定申告をするメリットについて見ていきましょう。
個人事業主が赤字でも確定申告するメリット

個人事業主の方は、赤字でも確定申告するものと考えておきましょう。事業の継続性や連続性の証明として必要なだけではなく、金融機関の融資申込みに際しても必要となります。
他に考えられるメリットとしては、次のものが挙げられます。
- 所得税の繰越控除・繰り戻し還付を受けられることがある
- 源泉徴収税額や予定納税額の還付を受けられることがある
- 国民健康保険料の軽減措置が適用される
- 非課税証明書を受取れる
それぞれのメリットについて解説します。
所得税の繰越控除・繰戻還付を受けられることがある
青色申告をしていれば、赤字分を翌年以降3年にわたって繰り越せる「繰越控除(くりこしこうじょ)」を利用できます。
なお、青色申告は確定申告の方法のひとつで、一定の帳簿を作成し、その帳簿にもとづいて申告・納税を行う制度です。
また、前年の黒字と赤字分を相殺し、昨年の黒字によって納めた所得税の還付を受ける「繰戻還付(くりもどしかんぷ)」を適用できることがあります。
ただし、繰越控除か繰戻還付はどちらかいっぽうのみ適用可能です。どちらのメリットが大きいか、計算してから手続きをしてください。また、繰戻し還付には通常は税務調査が行われますので注意が必要です。
源泉徴収税額や予定納税額の還付を受けられることがある
所得税は所得に対する税金のため、赤字のときには発生しません。もしも源泉徴収された収入がある場合は、確定申告をすることで納付した所得税の還付を受けられることがあります。
源泉徴収(個人)が必要となる主な報酬は、以下のとおりです。
- 原稿料・講演料
- 弁護士・公認会計士・司法書士などに支払う報酬
- プロ野球・プロサッカー選手、モデル、外交員などに支払う報酬
- 映画・テレビ出演などの報酬
また、予定納税額がある場合も同様に、確定申告によって還付を受けられる可能性があります。なお、予定納税とは前年の所得が一定以上の場合に、所得税の一部を前もって納める制度です。
国民健康保険料の軽減措置が適用される
国民健康保険料には、所得が一定基準以下の場合に、所得に応じて保険料を段階的に軽減する措置が設けられています。
確定申告によって所得がないことを証明できれば、国民健康保険料が2割~7割軽減されます。
非課税証明書を受取れる
赤字のときに確定申告をすると、非課税証明書を受取れます。
非課税証明書は、保育料の算定や妻(夫)を健康保険の扶養に入れるときなどに、収入がないことの証明として活用できる場合があります。主な活用シーンは以下のとおりです。
- 保育料の算定
- 児童手当の申請
- 健康保険の扶養認定
- 公的年金の受給手続き
- 公営住宅の入居
なお、非課税証明書という名前の証明書が発行されるわけではありません。本来は課税証明書ですが、赤字のときは「課税対象額がない=非課税である」ことを証明するため、非課税証明書と呼ばれることがあります。
個人事業主が赤字の時に確定申告をするデメリット
紹介したように、赤字でも確定申告を行うことでさまざまなメリットを受けられます。とくに青色申告をしている個人事業主は、繰越控除か繰戻還付を利用できるため、大きな節税効果を得られることもあるでしょう。
しかし、赤字のときに確定申告をすることで、以下のデメリットを被ることもあります。
- 手間がかかる
- 資金調達が難しくなることがある
それぞれのデメリットを解説します。
手間がかかる
確定申告には手間や時間がかかります。たとえば、次のような手続きが必要です。
- 売上計算に必要な請求書を集める
- 経費として処理するために必要な領収書などを整理する
- 確定申告書や補助書類に金額を入力する
確定申告は申告期間(原則として2月16日~3月15日)が決まっているため、仕事などで忙しい時期と重なると、さらに負担が大きくなります。
資金調達が難しくなることがある
融資を受けるときには、確定申告書などの提出を求められることがあります。赤字を公的に示すことになるため、資金調達が難しくなる可能性があります。
しかし、事業者である以上、どのような内容であっても確定申告書は毎期作成するのが当然と言えます。この年だけ申告していない、というほうが金融機関からの印象は悪くなるでしょう。
ただし、赤字であっても、創業してすぐの場合や設備投資などの事業拡大に必要な支出が多かった場合などの正当な理由があるときは、審査にマイナスの影響を与えるとは限りません。不安なときは、金融機関に率直に事情を相談してみましょう。
個人事業主が赤字で確定申告する際の書き方
個人事業主が赤字で確定申告する際、作成が必要となる主な書類は以下のとおりです。
- 確定申告書 第一表・第二表
- 確定申告書 第四表(青色申告で、損失の繰越控除を受ける場合)
- 収支内訳書(白色申告の場合)
- 青色申告決算書(青色申告の場合)
確定申告書の書き方は、赤字の状況によって異なります。いくつかのケースに分けて、書き方を解説します。
事業で赤字が出た場合
事業所得を申告する際は、確定申告書第一表の「収入金額等」に収入金額を記載し、「所得金額等」の事業所得欄(営業等または農業)を記載します。赤字の場合は、金額の頭に「△」または「-」をつけて金額を記載しましょう。
その他各種所得で黒字が出ている場合は、黒字から赤字を控除して所得金額の合計を記載します(損益通算)。
また、損失を翌年以降に繰り越す場合は、確定申告書第一表・第二表に加えて、「第四表(損失申告用)」の作成が必要です。具体的な記載方法は、国税庁「所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き 」でご確認ください。
源泉徴収額・予定納税額がある場合
事業で赤字が出た場合、源泉徴収された税額または予定納税額があれば、確定申告によって還付金を受け取れる可能性があります。
源泉徴収された税額がある場合は、確定申告書第一表の「源泉徴収税額(㊿)」欄に合計額を記載しましょう。あわせて、第二表の「所得の内訳(所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額)」欄も記載します。
また、予定納税を行った方は、「予定納税額(第1期分・第2期分)」に予定納税額(予定納税通知書に記載された金額)を記載します。
税金の還付がある場合
税金を計算した結果、還付される税金がある場合は、確定申告書第一表「第3期分の税額」の「還付される税金」欄に金額を記載します。
あわせて、「還付される税金の受取場所」欄に振込みを希望する口座の情報を記載しましょう。
個人事業主が赤字の際に検討したい資金調達方法

赤字のときに個人事業主が検討できる資金調達方法には、次のものがあります。
- ビジネスローン
- ファクタリング
- 不動産担保ローン
- 経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)
ビジネスローン
ビジネスローンとは、事業資金向けのローンです。無担保かつ無保証人で利用できるものもあり、申込みの際に提出する書類も少ない傾向にあります。
ノンバンク系のビジネスローンなら、申込みから借入れまでの時間が短く、最短即日融資に対応しているものもあります。急いでいるときには、借入れまでの時間が短いビジネスローンを検討してみましょう。
関連記事「法人が即日融資を受ける方法はある?ビジネスローンのメリット・デメリットも紹介」
ファクタリング
ファクタリングとは、売掛金をファクタリング会社に売却し、一定の手数料が差し引かれた売却代金を受取るサービスです。ファクタリング会社よって異なりますが、最短即日で資金を調達できます。
また、「融資」ではなく「債権の売買」であり、売掛先に重点をおいた審査が実施されるため、赤字でも利用できる可能性があります。
関連記事「ファクタリングとは?仕組みや利用するメリット・デメリット、注意点を解説」
不動産担保ローン
不動産担保ローンは、所有する不動産を担保に融資を受けるローン商品です。
不動産を担保に提供することで金融機関側の貸倒れリスクが軽減されるため、担保価値や今後の事業計画などによっては、赤字でも融資を受けられる可能性があります。
無担保ローンと比べて、高額かつ低金利の融資を受けやすい点も特徴のひとつです。
関連記事「不動産担保ローンとは?メリット・デメリットや利用する流れなどを解説」
経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)
日本政策金融公庫には、個人事業主や小規模企業に向けた融資制度があります。そのなかでも「経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)」は、売上が減少しているときや赤字のときに活用できる資金調達方法です。
売上減少の理由や減少率が一定の条件を満たすと、特別金利が適用され、基準金利よりも低い金利で融資を受けられます。
ただし、日本政策金融公庫では、申込みから融資が決まるまで2週間程度の期間を要します。急ぎのときには、ビジネスローンのほうが適しているかもしれません。
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急いで資金調達が必要な個人事業主や自営業の方は、AGビジネスサポートの「事業者向けビジネスローン」(詳細はこちら)をご検討ください。
借入可能額は審査によって決まりますが、無担保で最高1,000万円のご融資が可能です。契約利率は年3.1%~18.0%、また、個人事業主の方がお申込みの場合、原則として保証人は必要ありません。
事業者向けビジネスローンは、最短即日融資にも対応しています※。必要な資金をまとめて借りて、少しずつ返済するため、返済計画を立てやすいことも特徴です。
資金繰りが悪化したときなどに適時必要な資金を借りるならば、AGビジネスサポートの「事業者向けカードローン」(詳細はこちら)もご検討ください。こちらも、借入可能額は審査によって決まりますが、最高1,000万円(新規お申込みのときは最高500万円)、契約利率は年5.0%~18.0%です。
事業者向けビジネスローンと同じく、個人事業主の方は、原則として無担保かつ無保証人でご利用いただけます。
事業者向けカードローンも、最短即日融資に対応しています※。万が一に備えてすぐに借りられる手段を準備しておきたいときにも、事業者向けカードローンを検討してみてはいかがでしょうか。
※申込時間帯によっては対応できない場合があります。※本審査の結果、ご希望に添えない場合もございます。
※法人契約の場合は原則代表者の連帯保証が必要です。
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青色申告をしている個人事業主は、赤字のときでも確定申告をすることで繰越控除や繰戻還付などが適用され、節税できることがあります。また、国民健康保険料が下がるなどのメリットもあります。
何より事業を営んでいる以上、確定申告を継続することは当然だと言えます。手間はかかりますが確定申告をするほうがよいでしょう。
また、赤字をそのままにしないことも大切です。必要に応じて資金調達も視野に入れながら、健全な経営状態への立て直しを図りましょう。
ビジネスローンは借入れまでの時間が短く、急な資金需要にも迅速に対応できます。急いで資金調達したい個人事業主や自営業の方は、検討してみてはいかがでしょうか。
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- 監修者
- 竹下 昌成(たけした あきなり)
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- プロフィール
- 大家業、TAC講師、竹下FP事務所代表。1971年生まれ。兵庫県西宮市在住。立教大学卒業後、地銀やノンバンク、住宅メーカーFPを経て現職。30歳から大家業をスタート、45歳でFIRE。年間家賃収入3,600万円。得意分野は住宅購入と不動産投資。
- 資格情報
- CFP、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、住宅ローンアドバイザーほか
- https://mbp-japan.com/hyogo/fp-takeshita/