不動産担保ローンは税金の支払いに利用できる?滞納しているケースも解説

事業を営んでいると、資金繰りが厳しくなり、納税資金を捻出するのが難しくなることがあります。
「納期限が間近に迫っているけれど資金が足りない」、「納期限に間に合わず、督促状が届いてしまった」などの事情があり、不動産担保ローンを税金のお支払いに利用できるか気になっている方もいるのではないでしょうか。
不動産担保ローンは原則として使いみちに制限がないため、納税資金にも利用できます。
本記事では、税金を滞納するリスク、税金の滞納がある場合の不動産担保ローンの利用について解説します。
不動産担保ローンは税金の支払いにも利用可能
不動産担保ローンとは、土地や建物などの不動産を担保に融資を受ける商品です。無担保ローンと比べて金融機関側のリスクが少ないことから、低金利で高額の融資を受けられる傾向があります。
原則として、借入金の使いみちは問われません。そのため、税金のお支払いを含むさまざまな場面で利用できます。
不動産担保ローンの概要やメリット・デメリットを詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
税金を滞納したらどうなる?
納税は、日本国民の3大義務(勤労・納税・教育)のひとつです。公共サービスの財源として、法人税や法人事業税、所得税・住民税、個人事業税、固定資産税など、さまざまな税金を納めなければなりません。
納税者間の税負担の公平性を確保するため、滞納した方にはペナルティが課される可能性があります。この章では、税金の滞納によって起こり得ることを解説します。
- 延滞税や延滞金が発生する
- 督促が行われる
- 融資の審査に影響する可能性がある
- 財産を差し押さえられる可能性がある
延滞税や延滞金が発生する
税金を滞納すると、その日数(納期限の翌日から納付した日までの日数)に応じて、本来納めるべき税金とは別に延滞税や延滞金を支払わなければなりません。延滞税(延滞金)の割合は以下のとおりです。
納期限の翌日から2ヶ月(地方税は1ヶ月)を経過する日まで | 原則として年7.3% |
納期限の翌日から2ヶ月(地方税は1ヶ月)経過した日以後 | 原則として年14.6% |
ただし、市場金利の動向を鑑み、現在は金利が引き下げられています(2025年12月31日まで)。
納期限の翌日から2ヶ月(地方税は1ヶ月)を経過する日まで | 年2.4% |
納期限の翌日から2ヶ月(地方税は1ヶ月)経過した日以後 | 年8.7% |
納付が遅れるほど延滞税や延滞金の負担が大きくなるため、1日でも早く納付することが大切です。
督促が行われる
税金を滞納すると、国税は国税通則法にもとづいて原則50日以内、地方税は地方税法にもとづいて原則20日以内に督促状が発送されます。督促状が発送されると、発行にかかる費用として督促手数料が生じる場合もあります。
また、電話や訪問などによる督促が行われる場合もあるため、家族との関係にも影響が生じる可能性もあるでしょう。
融資の審査に影響する可能性がある
融資の審査では、納税していることを確認するために納税証明書の提出を求められる場合があります。
納税証明書には納付すべき税額や納付した税額だけでなく、未納税額も記載されているため、滞納があると審査に影響する可能性が高まるでしょう。
財産を差し押さえられる可能性がある
税金を納付しない状態が続くと、最終的には財産調査が行われ、財産を差し押さえられる可能性があります。預貯金だけでなく、給与や不動産、自動車、生命保険なども差し押さえの対象です。
不動産や自動車は公売、預貯金や給与、生命保険などは取り立てによって換金され、税金に充てられます。
不動産担保ローンを税金の支払いに利用するメリット

納税は、公共サービスを利用するために欠かせないものです。法人や個人事業主は、法人税や法人事業税、所得税・住民税、固定資産税などの納税資金を計画的に確保しておかなければなりません。
しかし、コストの高騰や未回収の売掛金などさまざまな事情で資金繰りがひっ迫し、納税資金の捻出が難しくなる場合もあるでしょう。
この章では、不動産担保ローンを税金のお支払いに利用する主なメリットを解説します。
- 無担保ローンと比べて金利が低い傾向がある
- 融資金の使いみちの柔軟性が高い
- 税金の滞納を防ぐ手段になる
無担保ローンと比べて金利が低い傾向がある
不動産担保ローンは不動産を担保として提供するため、一般的に無担保ローンよりも低金利で納税資金を調達できます。
日本貸金業協会がまとめた統計では、無担保ローンの平均約定金利が15.32%(事業者向けは13.67%)であるのに対し、有担保ローンは4.22%(事業者向けは3.75%)と低めでした(2024年9月)※。
また、不動産担保ローンは融資額が比較的大きく、返済期間も長期に設定できる傾向があります。
出典:日本貸金業協会「月次統計資料(令和6年11月発行)」融資金の使いみちの柔軟性が高い
融資金の使いみちの柔軟性が高く、さまざまな場面で活用できることもメリットのひとつです。
不動産担保ローンは、原則として使いみちに制限がありません。また、返済能力と不動産の担保価値によって融資額が決定されるため、担保価値によっては納税資金や運転資金を合わせて借入れできる場合もあります。
税金の滞納を防ぐ手段になる
税金を滞納すると、督促が行われる、または信用を得にくくなるなどの影響が生じます。また、滞納した日数に応じて延滞税や延滞金を支払わなければなりません。
不動産担保ローンを利用して納期限までに納付できれば、このような滞納によるリスクを減らせます。
また、不動産担保ローンは返済期間を長期に設定できる傾向があるため、納税後の資金繰り改善にも役立つ可能性があります。
不動産担保ローンを税金の支払いに利用する際のデメリット・注意点
不動産担保ローンは納税資金の調達に利用でき、滞納によるさまざまなリスクを避けられる可能性があるいっぽうで、デメリット・注意点も存在します。利用する際は、以下の2点を踏まえて検討しましょう。
- 無担保ローンと比べて融資に時間がかかる傾向がある
- 返済不能になると不動産を失うリスクがある
無担保ローンと比べて融資に時間がかかる傾向がある
不動産担保ローンの審査では、申込者の返済能力の調査だけでなく、担保となる不動産の評価が必要です。そのため、無担保ローンと比べると融資までの時間が長く、納期限が間近に迫っている場面では対応できない可能性があります。
融資まで1ヶ月以上かかる場合もあるため、金融機関のホームページなどで目安を確認したうえで余裕をもって手続きすることが大切です。
お急ぎの場合はスピーティーな対応が可能な金融機関を検討しましょう。例えば、AGビジネスサポートの不動産担保ビジネスローンは、最短3日でご融資が可能です。
返済不能になると不動産を失うリスクがある
不動産担保ローンを利用して税金の滞納を回避できたとしても、不動産担保ローンの返済が不能になると不動産を手放さなければならない可能性があります。
不動産担保ローンで融資を受ける際は、担保となる不動産に抵当権が設定されます。抵当権とは、返済が不能になった場合に担保不動産を競売にかけ、優先的に貸付金を回収できる権利です。
返済ができなくなると、金融機関は抵当権を実行して不動産の売却代金を残債に充てるため、不動産を失うことになります。
不動産担保ローンは税金の滞納があっても利用できる?
一般的に、未納の税金があると不動産担保ローンを利用することが難しくなります。滞納が続くと、国や自治体によって不動産を差し押さえられる可能性があるためです。
不動産担保ローンを利用する際は抵当権が設定されますが、すでに納期限が過ぎた税金があると金融機関が融資金を回収できないリスクが高まるため、融資が難しくなります。
そのため、不動産担保ローンの審査では、未納の税金がないかどうかを確認するために各種納税証明書の提出を求められることが一般的です。
ただし、税金の滞納があっても、融資金で納付すれば融資を受けられる可能性があります。滞納の状況や担保価値などによっても異なるため、金融機関に相談してみましょう。
なお、税金を滞納した履歴は、信用情報には登録されません。信用情報とは、クレジットカードやローンの取引履歴を登録した個人情報のことで、ローンなどの審査で確認されます。
AGビジネスサポートの不動産担保ローンは税金の支払いに利用可能
AGビジネスサポートの事業者向け不動産担保ローンは、原則として使いみちが自由です。そのため、税金のお支払いにもご利用いただけます。
「不動産担保ビジネスローン 」は最大5億円、「不動産担保カードローン」は最大5,000万円(個人事業主は2,000万円)までご融資が可能です。また、最短1日で簡易診断結果をお知らせでき、最短3日でご融資できるため、納期限が近くても対応できる可能性があります。
AGビジネスサポートでは、過去の財務内容だけでなく現状のご商売に鑑み融資実行の可能性を検討してまいります。まずはお気軽にお申込み・ご相談ください。
なお、いわゆるお勤めの方にはお申込みいただけません。
原則として不動産担保ローンは税金の支払いにも利用できる
不動産担保ローンは原則使いみちが問われないため、納税資金を調達したい場合にも利用できます。ただし、未納の税金があると審査に影響する可能性が高まります。
税金を滞納すると、延滞税や延滞金がかかるだけでなく、財産を差し押さえられる可能性もあるため、支払いが難しいとわかった時点で対処することが大切です。
AGビジネスサポートでは、最短3日でのご融資が可能な不動産担保ビジネスローン・不動産担保カードローンを提供しています。資金調達をお急ぎの事業者さまもぜひご相談ください。
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- 監修者
- 竹下 昌成
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- プロフィール
- 大家業、TAC講師、竹下FP事務所代表。1971年生まれ。兵庫県西宮市在住。立教大学卒業後、地銀やノンバンク、住宅メーカーFPを経て現職。30歳から大家業をスタート、45歳でFIRE。年間家賃収入3,600万円。得意分野は住宅購入と不動産投資。
- 資格情報
- CFP、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、住宅ローンアドバイザーほか
- https://mbp-japan.com/hyogo/fp-takeshita/