給与ファクタリングとは?仕組みや違法性、ファクタリングとの違いを解説

ファクタリングの仕組みを利用し、支給される前の給与の権利を買取るサービスとして給与ファクタリングと称することがあります。
給与ファクタリングは、ファクタリングという名称が付いていますが、本来のファクタリングとは異なるサービスです。また給与ファクタリングはそのほとんどが違法業者です。
そのため、給与ファクタリングの利用を検討している方は特徴やファクタリングとの違いをよく理解し、利用しないように注意しましょう。
本記事では、給与ファクタリングの仕組みや違法性、一般的なファクタリングとの違いなどを解説します。
給与ファクタリングとは?
給与ファクタリングとは、資金調達手段としても活用されるファクタリングの仕組みを利用した給与の買取のことです。
給与ファクタリングでは、個人の給与を債権とみなし、給与を受取る権利をファクタリング会社に買取ってもらうことで、利用者はお金を受取ることができます。
給与ファクタリングは、給与支給日の前にお金を手に入れることができます。ただし、手数料が引かれるため、本来手に入れられる給与額より少なくなってしまうことに注意しましょう。
給与ファクタリングの仕組み
給与ファクタリングの流れは、以下のとおりです。
- 未支給の給与を債権としてファクタリング会社が買取る
- 手数料を差し引いた金額が利用者に支払われる
- 給与の受取り後、契約金額をファクタリング会社に支払う
給与ファクタリングでは、給与を受取る権利をファクタリング会社に買取ってもらいますが、勤め先からの給与を受取るのは利用者本人です。
なぜなら、労働基準法第24条では、「賃金は通貨で直接労働者に支払うこと」と規定されているため、ファクタリング会社が直接利用者の給与を回収することはできないためです。
このように、給与ファクタリングは給与の買取となっていますが、実際には借入れと同様の性質を持っています。
給与ファクタリングの利用は違法業者に注意が必要
給与ファクタリングは、その性質上貸金業に該当します。貸金業を営むためには、貸金業登録が必要となり、貸金業法に準じた金利(利息制限法)で貸付を行わなければいけません。
貸金業法が定める上限金利は、以下のとおりです。
- 10万円未満の貸付:上限年利20%
- 10万円以上100万円未満の貸付:上限年利18%
- 100万円以上の貸付:上限年利15%
給与ファクタリングサービスを提供している業者は、貸金業登録をせずに法外な手数料を請求するケースがほとんどです。業者によっては年利換算で1,000%を超える高額な手数料を請求されるケースもあるため、注意しましょう。
ファクタリング自体は資金調達手段として利用されている
そもそもファクタリングとは、事業者が保有している売掛債権(売掛金)をファクタリング会社や銀行が一定の手数料を徴収して買取るサービスのことです。
ファクタリング自体には違法性がなく、売掛債権を期日前に現金化できるため、資金調達手段のひとつとしても利用されています。
給与ファクタリングとファクタリングの違い
給与ファクタリングとファクタリングの主な違いは、以下のとおりです。
サービス名 | 給与ファクタリング | ファクタリング |
---|---|---|
契約 | 金銭消費貸借契約 | 債権譲渡契約 |
事業者の利益 | 利息(利息制限法が適用) | 手数料(利息制限法の適用なし) |
貸金業登録の有無 | 必要 | 必要ない |
給与ファクタリングは貸金業に該当するため、金銭消費貸借契約となりますが、ファクタリングは売掛債権の譲渡契約になります。
一般的にファクタリングには償還請求権がないため、債権が未回収の場合に利用者がその責任を負う必要がなく、貸金業にも該当しないため、業者は貸金業登録の義務もありません。
ただし、ファクタリングでも償還請求権を設ける場合は、金銭消費貸借契約に該当するため、貸金業登録が必要です。
ファクタリングの3つの特徴

ファクタリングは事業者向けサービスのため、事業者ではない個人の方が利用することはできませんが、事業を営む個人事業主・フリーランスの方であれば利用可能です。
以下では、ファクタリングの特徴を紹介します。個人事業主・フリーランスで利用を検討する方は、特徴を把握しておきましょう。
早期の資金調達が可能
ファクタリングは、早期の資金調達が可能です。
ファクタリングには2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあり、2社間ファクタリングであれば最短即日の現金化に対応していることも多いため、すぐに資金が必要な場合にも活用できます。
- 2社間ファクタリング:利用者とファクタリング会社の契約%
- 3社間ファクタリング:利用者、取引先(売掛先)、ファクタリング会社の3社間の契約%
たとえば、フリーランスの場合、納品後に報酬を受取るケースが多いため、仕事を受けてから入金まで数か月先になることもあります。
このような場合にファクタリングを利用すれば、報酬(売掛債権)をすぐに現金化できるため、資金繰りの改善につながるでしょう。
取引先の倒産による債権未回収リスクを防ぐ
一般的にファクタリングは償還請求権がないため、債権未回収の場合に利用者が弁済する必要がありません。
仮に取引先の経営悪化や倒産により、ファクタリング会社が債権を回収できなくても返金義務が生じないため、あんしんして利用できます。
そのため、ファクタリングは単なる資金調達手段として利用されるだけでなく、取引先の倒産などによる債権の未回収リスクの防止にもなります。
赤字経営でも利用できる可能性がある
ファクタリングの利用時は審査が実施されますが、審査では取引会社の経営状況が重視されます。そのため、利用者側の経営状況が悪くても、取引会社の経営状況がよければ利用できる可能性があります。
たとえば、個人事業主が融資を受ける際の審査では、本人の収入や信用情報などが確認されるため、収入が低い、信用情報に傷があるなどの場合に融資を受けられないケースがありますが、ファクタリングであればこのような状況でも資金調達ができる可能性があります。
また、ファクタリングは融資ではなく、売掛債権の譲渡契約のため、利用しても信用情報に影響を与えません。
ファクタリング会社を選ぶときのポイント
ファクタリング会社は多数存在するため、どこに相談すればよいか迷ってしまう方もいるでしょう。以下では、ファクタリング会社を選ぶときのポイントを紹介します。
手数料を比較する
ファクタリングの利用時は手数料がかかります。手数料はファクタリング会社によって異なりますが、相場からかけ離れた手数料を設定しているファクタリング会社は避けるようにしましょう。
ファクタリングを利用する際にかかる手数料の相場は、以下のとおりです。
- 2者間:8%~18%
- 3者間:2%~9%
一般的に2者間ファクタリングは、3社間ファクタリングより手数料が高くなる傾向があります。
ただし、2社間ファクタリングは、3社間ファクタリングより早期の現金化が可能なため、経営状況に合わせてどちらを利用するか検討しましょう。
信頼できるファクタリング会社か確認する
ファクタリング会社は多数あり、事業を営むために特別な登録や資格も必要ないため、なかには高額の手数料を請求する悪質業者や、ファクタリング会社を装った違法業者も存在します。
給与ファクタリングと同様に、違法業者を利用してしまうとトラブルになる可能性が高いため、ファクタリングを利用する際は、信頼できる事業者を選ぶことが大切です。
悪徳業者や違法業者を見分ける手段のひとつには、適正なファクタリング業界団体への加盟の有無があります。例えば、一般社団法人オンライン型ファクタリング協会では、協会内の自主規制なども定めているため、加盟している事業者であればあんしんできるでしょう。
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2社間ファクタリングにも対応しているため、取引先への開示も原則、不要で、買取手数料は「2%~」となります※2。
また、AGビジネスサポートは上場企業であるアイフルのグループ企業です。ファクタリング協会にも加盟しており、利用者があんしんしてサービスを利用できるように努めています。
赤字経営、債務超過などでも取り扱いの検討をするため、資金調達に悩んでいる方はAGビジネスサポートへご相談ください。
※2取引形態、買取金額によって条件が異なります。詳しくは営業担当にお問合せください。
給与ファクタリングの利用は避けよう
給与ファクタリングは、給与を債権とみなしてファクタリング会社が買取ることです。
一般的なファクタリングとは性質が異なるほか、そのほとんどが違法業者となるため、特徴や仕組みを理解し、利用しないようにしましょう。
なお、ファクタリング自体は資金調達手段としても利用されており、違法なものではありません。個人事業主・フリーランスの方も利用できるため、状況に合わせて活用してみてはいかがでしょうか。
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資金調達に悩んでいる方は、一度AGビジネスサポートにご相談ください。
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- 監修者
- 竹下 昌成
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- プロフィール
- 大家業、TAC講師、竹下FP事務所代表。1971年生まれ。兵庫県西宮市在住。立教大学卒業後、地銀やノンバンク、住宅メーカーFPを経て現職。30歳から大家業をスタート、45歳でFIRE。年間家賃収入3,600万円。得意分野は住宅購入と不動産投資。
- 資格情報
- CFP、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、住宅ローンアドバイザーほか
- https://mbp-japan.com/hyogo/fp-takeshita/