
不動産担保ローンは法人も利用可能!審査や比較する際のポイントを解説

不動産担保ローンは、個人だけでなく法人も利用できるローンです。ただし、金融機関により不動産担保ローンの貸付条件が異なるため、必ずしも法人が利用できるとは限りません。
この記事では、法人が利用できる不動産担保ローンの基本知識をまとめました。選ぶ際のポイントや審査における注意点なども紹介します。
不動産担保ローンとは?
不動産担保ローンとは、土地や建物などの不動産を担保にお金を借りる有担保型のローンです。
無担保型の一般的なローンに比べて金利が低く、返済期間を長く設定できる点が特徴で、月々の返済金額を抑えたい方や、まとまった資金を必要としている方に向いています。
また、担保を設定するため、担保なしに借りるローンよりも利用限度額が高額に設定されている点も特徴です。
不動産担保ローンの審査では申込者の返済能力に加えて、担保とする土地や建物などの価値が評価されます。
無担保ローンが利用できないときでも融資を受けられることがあり、また、億単位の高額な借入れも可能です。
不動産担保ローンのメリット
不動産担保ローンのメリットとしては、次の点が挙げられます。
- 金利が低め
- 返済期間が長めで、返済負担を軽減しやすい
- 利用限度額が大きい
- 無担保ローンとは審査基準が異なる
- 法人が所有しない不動産を担保にできることがある
各メリットについて詳しく見ていきましょう。
金利が低め
担保なしでお金を借りる無担保ローンと比べると、不動産担保ローンは貸す側(金融機関)にとっては未回収リスクが低いローンです。そのため、無担保ローンと比べて金利が低めに設定される傾向にあります。
返済期間が長め
無担保ローンと比べると、担保を設定してお金を借りる不動産担保ローンは返済期間が長めです。金融機関にもよりますが、30年程度の長期間借りられるローンもあります。
返済期間が長いと毎月の返済金額が少なくなるため、返済の負担を軽減できる点はメリットです。しかし、返済期間が長引くことで利息が増え、総返済額が増える可能性がある点には注意してください。
融資額が大きい
担保とする不動産の評価額が大きければ、高額を借りられることがあります。不動産の評価額と融資額はイコールではありませんが、担保を設定することで、金融機関は融資額を回収しやすくなるため、無担保ローンよりは高額の資金を借りられる傾向にあります。
審査結果によっては、億単位の資金を借りることも可能です。無担保ローンで億単位の資金を借りることはほぼ不可能なため、設備投資や土地購入といった多額の資金が必要になったときは、不動産担保ローンの利用も検討してみましょう。
無担保ローンとは審査基準が異なる
無担保ローンでは申込者や法人のみが審査対象となりますが、不動産担保ローンでは申込者に加え、担保とする不動産も審査の対象です。
審査の対象や基準が異なると、審査結果も異なります。そのため、無担保ローンの審査に通過できない場合でも、不動産担保ローンなら融資を受けられるかもしれません。
法人が所有しない不動産を担保にできることがある
担保として設定できる不動産は、申込者が所有するものとは限りません。不動産担保ローンによっては、申込者である法人が所有しない不動産を担保として設定できることがあります。
ただし、担保不動産の所有者が連帯保証人になるといった条件が課せられることがあるため、申込みの前に確認しておきましょう。
不動産担保ローンのデメリット
不動産担保ローンには、次のデメリットがあります。
- 審査に時間がかかる傾向にある
- 手数料などの費用がかかることがある
- 返済できないときは不動産を失うこともある
各デメリットを解説します。
審査に時間がかかる傾向にある
不動産担保ローンに申込むと、申込者や法人についての審査だけでなく、担保となる不動産の審査も実施されます。無担保ローンと比べると審査項目が多いため、審査結果がわかるまでに時間がかかる傾向にあるでしょう。
なお、「即日審査」に対応している不動産担保ローンも少なくありません。しかし、簡易診断(簡易審査)の結果は即日にわかっても、詳細な審査や融資までには時間がかかることもあるため注意が必要です。
利息以外にも手数料がかかることがある
不動産担保ローンを借りるときは、審査費用や抵当権設定登記の費用、火災保険料などが別途必要になることがあります。利息だけで借りられないケースもあるため、申込む前に確認しておきましょう。
返済できないときは不動産を失うことがある
万が一、返済に行き詰まったときは、担保不動産が競売にかけられ、売却されることになります。また、売却しても残債を返済できないときは、返済義務が残る点にも注意が必要です。
無理のない返済計画を立てるのはもちろんのこと、担保不動産を失う可能性についても想定しておきましょう。
不動産担保ローン商品を選ぶときのポイント
不動産担保ローンは、銀行だけでなく、消費者金融などの貸金業者などでも提供されています。不動産を担保に設定して借りるという点ではどちらも共通していますが、次のポイントが異なります。
金融機関の種類 | 銀行 | 消費者金融 |
---|---|---|
利用目的 | ローンによって異なる | ローンによって異なる |
利用限度額 | 低め | 高め |
金利 | 低め | 高め |
審査にかかる時間 | 長い | 短い |
なお、上記の表は各金融機関における傾向であり、ローンサービスを提供している会社や商品によっても異なります。
利用目的
不動産担保ローンは、ローンごとに利用目的が定められています。たとえば不動産担保ローンのなかでもビジネスローンと分類されるものは、個人事業主や法人の事業資金の利用に限られます。
なお、利用目的によっては融資を受けられない可能性があります。不動産担保ローンを選ぶときは、利用目的がそのローンに合致しているか確認しましょう。
利用限度額
銀行と消費者金融を比較すると、消費者金融のほうが利用限度額の上限が高い傾向にあります。高額を借入れたいときには、消費者金融の不動産担保ローンに注目しましょう。
たとえば、AGビジネスサポートの不動産担保ビジネスローンでは、審査状況により、最大5億円の融資が可能です。
必要な金額をまとめて借りられないときは、2つ以上のローンを利用することになり、そうなると返済管理も複雑になります。ローンをひとつにまとめてシンプルに管理するためにも、利用限度額が必要な金額以上の不動産担保ローンも検討してみてください。
金利
上限金利を比較すると、銀行のほうが低い傾向にあります。ただし、借入金額が高くなるにつれ、適用金利は低くなる傾向にあるため、消費者金融の場合でも銀行よりも低金利が適用されることがあります。
まずは、どの程度の借入金額を希望するかを明確にし、その金額でどの程度の金利が適用されるか複数の金融機関で調べてから、借入先を決めましょう。
審査にかかる時間
銀行に比べて、消費者金融などの貸金業者のほうが融資までにかかる時間が短い傾向にあります。各ホームページで融資までの目安日数が記載されていることもあるため、事前に確認しておきましょう。
AGビジネスサポートは最短3日での融資が可能です。利息以外にかかる初期コストをできるだけ抑えたい、設備増設の資金が必要などさまざまなケースに対応していますので、気になる方は問合せください。
法人向け不動産担保ローンの審査に関して知っておきたいこと

審査の流れや必要書類を把握しておくと、申込み後の手続きも進めやすくなります。以下では、不動産担保ローンの審査の前に知っておきたいことをまとめて紹介します。
法人向け不動産担保ローンの審査の流れ
法人向けの不動産担保ローンは、以下の流れで利用します。
- 申込み
- 書類提出
- 審査
- 契約
- 借入れ
すべての手続きをオンラインで対応している金融機関もあります。待ち時間が減り、借入れまでの時間が短縮されることがあります。お急ぎのときは、オンラインで利用できるかチェックしてみてください。
法人向け不動産担保ローンの審査に必要な書類
金融機関によっても異なりますが、法人向けの不動産担保ローンの審査に必要な書類の例を紹介します。
- 代表者本人確認書類
- 決算書
- 固定資産評価証明書(名寄台帳)
- 各種納税証明書
上記の書類のほか、すでに不動産担保ローンを借りている場合は、返済予定表や現在の借入残高がわかる書類などの提出が必要になることがあります。
法人向け不動産担保ローンの審査で重視されるポイント
審査で重視されるポイントは、金融機関によって異なります。主なポイントとしては、次の3点が挙げられます。
- 事業内容・事業年数
- ほかの金融機関からの借入状況
- 不動産の担保価値
各ポイントについて詳しく見ていきましょう。
事業内容・事業年数
事業内容や事業年数から、事業の安定性を測ることもあります。事業年数が短いと安定性が低いと判断される傾向にありますが、事業内容に将来性があれば、事業年数にかかわらず融資を受けられる可能性があります。
ほかの金融機関からの借入状況
多額の借入れがあるときや借入先が多いときは、融資額が制限される可能性があります。また、過去に返済を滞納したことがある場合や現在滞納中の場合も、審査に不利に働きます。
不動産の担保価値
不動産の担保価値が高ければ、融資額も多くなる傾向にあります。ただし、担保の評価は金融機関によって異なるため、同じ不動産を担保とする場合でも、申込先によって融資額は異なります。
法人向け不動産担保ローンは「AGビジネスサポート」

ビジネスでは迅速な対応が必要となります。お急ぎのときは、借入れまでの時間が比較的短い消費者金融の不動産担保ローンをご検討ください。
AGビジネスサポートでは、個人事業主や法人向けに、「不動産担保ビジネスローン」(貸付条件はこちら)や「不動産担保カードローン」(貸付条件はこちら)を提供しています※1。それぞれのローンの特徴は、以下をご覧ください。
ローンの種類 | 不動産担保ビジネスローン | 不動産担保カードローン |
---|---|---|
共通する特徴 |
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|
異なる特徴 |
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※1 原則として共有者様の連帯保証および担保提供が必要
※2 法人契約の場合は原則代表者の連帯保証が必要。担保提供者の連帯保証が必要な場合がある
※3 個人事業主は2,000万円以下
法人向け不動産担保ローンについてのよくある質問
法人向け不動産担保ローンについて、よくある質問とその答えをまとめました。ぜひ申込みの前にチェックしてみてください。
Q.すでに担保として活用している不動産も担保にできる?
二番抵当、三番抵当でも不動産担保ローンに申込めることがあります。ただし、金融機関によって異なるため、申込む前に相談しておきましょう。
Q.赤字決算でも不動産担保ローンを利用できる?
経営改善に向けた取組みなども審査の対象となるため、赤字決算でも借りられることがあります。不安な場合は、申込む前に借入先に相談してください。
Q.銀行と消費者金融の不動産担保ローンは何が違う?
消費者金融のほうが扱う不動産の幅が広く、柔軟な対応を期待できる傾向にあります。ただし、金融機関によって異なるため、消費者金融のほうが借りやすいとは限りません。
まとめ
不動産担保ローンは、不動産を担保に設定することで低金利かつ高額のご融資が可能になります。ビジネスに必要なまとまった資金は、不動産担保ローンもご検討ください。
借入れが高額になると返済期間も長期になりやすいです。事前に返済計画を立て、無理のない返済が可能なことを確認してから申込みください。
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- 監修者
- 新井 智美
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- プロフィール
- コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)をおこなうと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。現在年間300本以上の執筆及び監修をこなしており、これまでの執筆及び監修実績は2,500本を超える。
- 資格情報
- CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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