不動産担保ローンの相談先は?上限金額や共有名義の場合などよくある相談内容も紹介

不動産担保ローンとは、所有している不動産を担保に借入れができるローン商品です。主に、銀行や信用金庫、ノンバンク、社会福祉協議会などが提供しており、申込みを検討している段階でも、電話などによる相談が可能です。
なお、資金使途は大きく事業性と非事業性資金に分かれ、ご自身の資金使途で相談先も変わってきます。
本記事では、疑問や不安がある方に向けて、不動産担保ローンに関する相談ができる窓口とよくある相談内容を紹介します。
本人以外や共有名義の不動産を担保に借入れしたい方、住宅ローン返済中の方、審査や借入上限金額を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
不動産担保ローンの相談ができる窓口は?

不動産担保ローンについて相談できる窓口は、おもに以下の6つがあります。
- 銀行
- ノンバンク
- 信用金庫
- JA(農業協同組合)
- ろうきん(労働金庫)
- 社会福祉協議会
銀行
都市銀行や地方銀行、ネット銀行などが不動産担保ローンを提供しています。
都市銀行は、全国に幅広く支店があり便利です。地方銀行は、都市銀行のように幅広い地域では利用できませんが、営業地域内に支店を多く構え、地域に寄り添った運営をしています。
また、ネット銀行はWEB取引を中心に営業する銀行です。WEBで手続きできるので便利ですが、基本的に窓口での相談は利用できません。ただし、ネット銀行でも電話相談を受け付けています。
ノンバンク
ノンバンクは銀行以外の金融機関で、貸金業法にもとづいて運営する消費者金融や信販会社などがあげられます。
ノンバンクにも不動産担保ローンを扱っているところがあり、多くはWEBや電話相談を受け付けています。
信用金庫
信用金庫とは、地域の方々の相互扶助を目的とした協同組織の金融機関です。
信用金庫でも不動産担保ローンを扱っており、電話や窓口で相談できます。ただし、対象地域は限定されています。
JA(農業協同組合)
JA(農業協同組合)とは、農業者の相互扶助を目的とした協同組合です。
JAでは、リバースモーゲージローンを扱っています。リバースモーゲージローンとは、住み続けながら自宅を担保に借入れし、死亡時に借入金額を返済する仕組みのローンです。
気になる方はお近くのJAに相談しましょう。農業者でなくても利用でき、50歳以上の単身または夫婦世帯が対象です。
ろうきん(労働金庫)
ろうきん(労働金庫)は、労働組合や生協の皆さんが相互扶助を目的につくった協同組織の金融機関です。
ろうきんでも不動産担保ローンを提供しており、対象地域に住んでいるまたは勤めている場合には労働組合や生協の組合員でなくても利用可能です。まずはお近くのろうきんに相談しましょう。
社会福祉協議会
社会福祉協議会とは、民間の社会福祉活動の推進を目的とした非営利の民間組織です。
社会福祉協議会では、65歳以上の低所得高齢者世帯を対象に、不動産を担保に生活資金を貸付する公的融資制度「不動産担保型生活資金」を提供しています。
相談窓口は都道府県社会福祉協議会です。詳しくは全国社会福祉協議会のホームページを確認しましょう。
不動産担保ローンでよくある相談内容
不動産担保ローンは、所有している不動産を担保に借入れができるローン商品です。
無担保のローンと比べて専門用語も多く、理解するのが難しい傾向があります。申込みを検討している方のなかには、「共有で持っている不動産も担保に入れられる?」「いくら借りられる?」など疑問や不安がある方もいるのではないでしょうか。
そこで、不動産担保ローンの利用を検討している方に向けて、不動産担保ローンのよくある相談内容を紹介します。
- 不動産担保ローンで借りられる上限金額は?
- 不動産担保ローンの審査に落ちる人と落ちない人の違いは?
- 不動産担保ローンの手数料や金利、返済期間の決まり方は?
- 本人以外の不動産を担保に借りられる?
- 共有名義の不動産を担保に借りられる?
- 信用情報に問題があると不動産担保ローンの利用は難しい?
- 不動産担保ローンの申込前に確認しておきたいことは?
不動産担保ローンで借りられる上限金額は?
不動産担保ローンの融資上限金額は、「1億円まで」「5億円まで」など金融機関ごとに設定されています。不動産を担保に借入れするため、無担保ローンよりも高額な融資が可能です。
ただし、実際の借入金額は、返済能力や担保となる不動産の価値によって利用者ごとに決まります。借入れ可能な金額は、一般的に担保価値の6~8割程度ですが、担保価値は金融機関によって異なります。
なお、一定の要件を満たす不動産担保ローンは総量規制の「除外貸付け」に該当するため、年収の3分の1を超える借入れが可能です※。
※総量規制とは、貸金業者からのお借入れを年収の3分の1までとする規制です。
関連記事:「不動産担保ローンでいくら借りられる? 目安の金額や審査通過のポイントを紹介!」
不動産担保ローンの審査に落ちる人と落ちない人の違いは?
不動産担保ローンの審査で重要となるのは、「返済能力」と「担保となる不動産の価値」です。信用情報に問題がある場合や、担保価値が低い場合は、審査に落ちることがあります。
社会福祉協議会では、65歳以上の低所得高齢者世帯を対象に、不動産を担保に生活資金を貸付する公的融資制度「不動産担保型生活資金」を提供しています。
審査が不安な方のなかには、ローン返済中の不動産を担保に借入れしたいと考えている方もいるのではないでしょうか。不動産担保ローンによっては、ローン返済中でも借入れできる場合があります。
不動産担保ローンを利用する際には、金融機関が担保不動産に抵当権を設定します。抵当権とは、ローン利用者が返済できなくなったときに、他の債権者に優先して弁済を受けられる権利です。
ローン返済中の場合、その不動産にはすでに抵当権が設定されているため、同じ不動産を担保に借入れするときの抵当権は第二抵当になります。
債務者が返済できなくなると第一抵当権者から順番に弁済を受けるため、順位が低くなるほど債権を回収できないリスクが高まります。
ローン返済中で不動産担保ローンに申込みする場合、担保評価額からローン残高を差し引いたときに担保価値が残っていなければ、審査に通過するのは難しいでしょう。
いっぽう、ローンの返済が進み、借入残高が一定以内に減っている場合は、一般的に借入れできる可能性が高まります。
不動産担保ローンの手数料や金利、返済期間の決まり方は?
不動産担保ローンは、無担保ローンと比べて貸し倒れのリスクが低いため、金利が低めに設定されています。
ただし、実際に適用される金利は利用者ごとに異なります。金利を決める主な要素は、返済能力、担保価値、担保掛目です。担保価値が大きいほど、または担保掛目が低いほど、金利は下がりやすくなります。
たとえば、第二抵当で不動産担保ローンを利用する場合、第一抵当で利用するときと比べて金利が高くなる可能性があります。
また、不動産担保ローンを利用すると、利息のほかに事務手数料や印紙代、登記費用などの諸費用がかかることも覚えておきましょう。
不動産担保ローンは、一般的に長期間での返済が可能なローン商品です。ただし、不動産の耐用年数を超える返済期間は設定できないケースがあります。
関連記事:「不動産担保ローンの金利相場や決まり方は?負担少なく借りるためのポイントも紹介」
本人以外の不動産を担保に借りられる?
不動産担保ローンによっては、本人以外(配偶者や父母、兄弟姉妹など)が所有する不動産でも担保に入れられます。ただし、その場合は一般的に所有者本人の承諾が必要です。
銀行の不動産担保ローンでは、本人が所有する不動産に限定される場合もあるため、事前に確認しましょう。
関連記事:「不動産担保ローンは家族名義の不動産でも申込める?知っておきたい注意点を解説」
共有名義の不動産を担保に借りられる?
親子や夫婦、兄弟など複数人で1つの不動産を所有している場合、「共有名義の不動産を担保に不動産担保ローンで借入れできるの?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。
不動産担保ローンによっては、共有名義の不動産を担保とする借入れが可能です。ただし、一般的に物件共有者が連帯保証人になる必要があります。
共有名義となっている不動産では借入れができない不動産担保ローンもあるので、申込条件をよく確認しましょう。
関連記事:「不動産担保ローンの共有名義とは? 共有持分との違いや担保設定時の注意点を解説」
信用情報に問題があると不動産担保ローンの利用は難しい?
信用情報に問題があると、不動産担保ローンの審査に落ちる可能性が高くなります。
信用情報とは、ローンやクレジットカードの申込みや契約内容、支払状況などの客観的事実が登録された情報です。
信用情報の登録内容と、現状の商売の状況や将来性を鑑みて審査が実施されます。
そのため、信用情報に延滞や債務整理などの記録が残っていると、「同じような金融事故を起こすかもしれない」とみなされ、不動産担保ローンを含むローンの審査に通りにくくなります。なお、金融事故の程度によって情報が登録される期間は異なりますが、重度の事故で情報が登録される期間は、5~7年間です。
不動産担保ローンの申込前に確認しておきたいことは?
不動産担保ローンの返済ができなくなると、担保不動産を失うことになります。
ローンの利用者の返済が困難になると、担保不動産は競売(強制的な売却)にかけられて、その売却代金が返済に充てられます。なお競売にかけられた不動産は、一般的に相場よりも安い価格での売却となります。
不動産担保ローンの申込前には十分なシミュレーションを行い、無理のない返済計画を立てることが大切です。
事業者様の不動産担保ローンのご相談は「AGビジネスサポート」へ
不動産担保ローンに関することなら、「AGビジネスサポート」へご相談ください。
AGビジネスサポートは、アイフルグループの一員であるノンバンクです。事業者の方向けに、「不動産担保カードローン」「不動産担保ビジネスローン」を提供しています※。
簡易診断は最短1日、最短3日でのご融資が可能です。また、担保物件の所有者や抵当順位は問いません。
AGビジネスサポートでは、平日9:30~18:00までお電話でのお問合せ・ご相談を受け付けています。
受付時間:平日9:30~18:00(土日祝は定休日)
なお、AGビジネスサポートの不動産担保ローンは、法人または個人事業主の方を対象としています。お勤めの方にはお申込みいただけませんのでご注意ください。
※法人契約の場合は原則代表者の連帯保証が必要。担保提供者の連帯保証が必要な場合があります。
まとめ
不動産担保ローンは、所有している不動産を担保にお借入れできるローン商品のことで、無担保ローンと比べて仕組みが複雑です。
不動産担保ローンについて疑問や不明点がある場合、銀行やノンバンク、社会福祉協議会などに相談できます。ご自身の状況や目的に応じて、適した相談先を選びましょう。
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- 監修者
- 竹下 昌成
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- プロフィール
- 大家業、TAC講師、竹下FP事務所代表。1971年生まれ。兵庫県西宮市在住。立教大学卒業後、地銀やノンバンク、住宅メーカーFPを経て現職。30歳から大家業をスタート、45歳でFIRE。年間家賃収入3,600万円。得意分野は住宅購入と不動産投資。
- 資格情報
- CFP、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、住宅ローンアドバイザーほか
- https://mbp-japan.com/hyogo/fp-takeshita/