不動産投資ローンの借り換えとは?検討するタイミングやメリット・デメリットを解説

不動産投資ローンを利用している場合、月々の返済金額や金利に悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
不動産投資ローンの借り換えは、返済状況を改善する選択肢のひとつです。ただし、「どのようなタイミングが適切なのか」「デメリットはあるのか」と疑問を感じる場合もあるでしょう。
この記事では、不動産投資ローンの概要や検討するタイミング、メリットやデメリットを解説します。不動産投資ローンの借り換えを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
不動産投資ローンの借り換えとは?
不動産投資ローンの借り換えとは、現在契約中の不動産投資ローンを、金利や融資期間などが有利な別のローンへと借り換えることです。
投資用不動産の購入資金は比較的金額が大きくなるケースが多く、不動産投資ローンの借入期間も長くなる場合があります。
より有利な条件の不動産投資ローンへ借り換えれば、毎月の返済金額や総返済額の負担が軽減される可能性があります。不動産投資の運用を安定化したい方、月々の返済金額を減らしたい方に選択肢となる方法です。
ただし、必ずしも不動産投資ローンの借り換えがプラスになるとは限りません。反対に返済負担が大きくなる可能性もあるため慎重な判断が必要です。
不動産投資ローンの借り換えを検討するタイミング
不動産投資ローンの借り換えを検討するタイミングには、次のケースが考えられます。
- 借り換えで返済金額が軽減される場合
- 一定のローン返済期間、借入残高が残っている場合
- 投資用不動産での収入よりも、ローン返済のほうが多い場合
たとえば、現在の借入先の金利と借り換え先の金利差が1%以上ある場合、借入残高が1,000万円以上ある場合などは、返済金額が軽減される可能性があるため、借り換えを検討してみるのもよいでしょう。
ただし、借り換えには諸費用が伴います。借り換え後に返済金額が実際に軽減されるのか、事前のシミュレーションが大切です。
不動産投資ローンで借り換えをするメリット
不動産投資ローンの借り換えの主なメリットは次のとおりです。
- 支払利息の負担を減らせる
- 目的にあわせて金利タイプを見直せる
- 条件を見直せる
各メリットの詳細を解説します。
支払利息の負担を減らせる
不動産投資ローンをより有利な金利のローンへと借り換えると、支払利息の負担を減らせる可能性があります。
そして支払利息の負担を減らせる分、月々の返済金額や総返済額を抑えられる点が借り換えの利点です。
目的にあわせて金利タイプを見直せる
不動産投資ローンの金利には、「固定金利」と「変動金利」の2つのタイプがあります。
- 固定金利:金利が固定されるが、金利は高め
- 変動金利:金利が低めである一方、金利上昇リスクがある
不動産投資ローンの借り換えをすると、新たに契約する時に金利タイプを選択できる点がメリットです。
月々の返済金額を減らしたい場合は金利の低い変動金利、金利上昇リスクを回避したい場合は固定金利期間が長めのローンへ借り換えるなど、自身の返済方法に合わせて柔軟な選択ができます。
条件を見直せる
不動産投資ローンを借り換えることで、条件を見直せることもメリットのひとつです。
条件は金融機関やプランによっても異なりますが、たとえば不動産投資ローンでは、「団体信用生命保険(団信)」に加入する場合があります。
団体信用生命保険(団信)とは、返済途中で死亡または所定の身体障害状態になった場合に、融資残高が0円となる生命保険です。
通常、不動産投資ローンの借入れ後に団信の種類は変更できません。ただし、不動産投資ローンを借り換えると、借り換え先のローンの内容によって団信を見直せます。
不動産投資ローンで借り換えをするデメリット

不動産投資ローンの借り換えはメリットがあるいっぽう、デメリットも存在します。主なデメリットは次のとおりです。
- 繰上返済手数料が発生する場合がある
- 新しいローン契約時に費用がかかる
- 必ずしも返済総額を抑えられるとは限らない
不動産投資ローンの借り換えは、メリットとデメリットの双方を考慮しましょう。
繰上返済手数料が発生する場合がある
繰上返済手数料とは、当初の予定よりも前倒しで返済する場合に発生する手数料です。繰上返済手数料が設定されている不動産投資ローンの借り換え時には、前の借入先に繰上返済手数料を支払う必要があります。
繰上返済手数料の設定は、ローンにより異なります。たとえば、借入残高が2,000万円、繰上返済手数料が返済残高の2%に設定されている場合、借り換え時に40万円の繰上返済手数料が必要です。
新しいローン契約時に費用がかかる
不動産投資ローンの借り換えは、新しいローン契約時に費用がかかる点もデメリットです。具体的には、次のような費用が発生します。
- 取扱事務手数料
- 印紙税
- 登記費用
- 火災保険料
- 出張手数料
新しい不動産投資ローンを契約する場合、取扱事務手数料がかかります。取扱事務手数料に借入金額の2.2%が設定されている場合、2,000万円を借り換えるなら、契約時に44万円を支払わなければなりません。
そのほか、印紙税や司法書士への登記費用、司法書士への報酬などが発生する場合もあります。
必ずしも返済総額を抑えられるとは限らない
これまで紹介したように、不動産投資ローンの借り換えでは諸費用がかかります。
借り換えで総返済額を100万円減額できても、繰上返済手数料や取扱事務手数料、そのほかの費用で110万円がかかると、借り換えの効果が得られるどころか余計に費用がかさみます。
低い金利のローンに借り換えても、必ずしも総返済額が抑えられるとは限らない点に注意しましょう。
金融機関によっては、借り換えのシミュレーションができるサイトを提供している場合もあります。便利な機能を活用して、事前に金利差による効果と諸費用の比較検討を行いましょう。
不動産投資ローンで借り換えをする流れ
細かい流れは状況や金融機関などによっても異なりますが、不動産投資ローンで借り換えをする際の主な流れは次のとおりです。
- 借り換え先の選定
- 借り換え効果のシミュレーション
- 借り換え元との相談
- 融資の申込み
- 審査
- 契約・融資
- 借り換え元への一括繰上返済
不動産投資ローンの借り換え先では審査が行われます。場合によっては契約に至らないケースがある点に注意しましょう。
不動産投資ローンの借り換えで必要な書類
不動産投資ローンの借り換えでは、本人確認ができる書類や収入に関する書類が必要です。主な必要書類は次のとおりです。
- 本人確認書類(運転免許証や健康保険証など)
- 収入を確認できる書類(法人の場合は決算書、個人事業主の場合は確定申告書など)
- 返済予定表
- 物件に関する資料(売買契約書や重要事項説明書など)
- 固定資産評価証明書や各種納税証明書
ただし、必要な書類はローンによって異なります。借り換えの際は、金融機関の担当者と相談して、必要な書類を準備しましょう。
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不動産投資ローンの借り換えは慎重に検討しよう
不動産投資ローンをより条件のよいローンへと借り換えると、金利を抑えられ、キャッシュフローの改善に役立ちます。希望する金利のタイプへ変更したい場合にも、メリットのある方法です。
いっぽう、不動産投資ローンの借り換えでは繰上返済手数料や取扱事務手数料などの諸費用がかかります。必要な書類を揃え、手続きをする手間も求められます。不動産投資ローンの借り換えは、事前に得られる効果をシミュレーションし、慎重に検討しましょう。
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- 監修者
- 竹下 昌成(たけした あきなり)
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- プロフィール
- 大家業、TAC講師、竹下FP事務所代表。1971年生まれ。兵庫県西宮市在住。立教大学卒業後、地銀やノンバンク、住宅メーカーFPを経て現職。30歳から大家業をスタート、45歳でFIRE。年間家賃収入3,600万円。得意分野は住宅購入と不動産投資。
- 資格情報
- CFP、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、住宅ローンアドバイザーほか
- https://mbp-japan.com/hyogo/fp-takeshita/