団信付き不動産担保ローンについてメリット・デメリットを解説

不動産担保ローンは、所有する不動産を担保として借入れする方法です。不動産担保ローンには、個人向けで資金用途を問わないものや法人や個人事業主向けのビジネスローンで事業資金や納税資金などの利用に限定されるものもあります。
なかには、住宅ローンのように団信が任意で加入できるものや、無料付帯している不動産担保ローンもあります。
本記事では、不動産担保ローンと住宅ローンの違いや団信に加入するメリット・デメリットを解説します。
不動産担保ローンとは?
不動産担保ローンとは、土地や建物などの不動産を担保に受ける融資商品(有担保ローン)です。
資金用途は、不動産購入費や教育費など原則自由な場合が多いです。
不動産を担保に入れているため、一般的に無担保ローンに比べて金利は低めです。また、借入可能額も高く、高額の借入れが可能です。
不動産担保ローンと住宅ローンの違い
不動産担保ローンと住宅ローンの違いは大きく分けて3つあります。
まず1つ目は、資金用途の違いです。住宅ローンは自己居住用の不動産購入や土地や建物購入、建築、リフォームなどの住宅取得専用のローンです。
いっぽう、不動産担保ローンは、個人で生活資金や教育費などのように資金用途を問わないものや、ビジネスローンのように運転資金や納税資金、事業資金などに利用が限定されるものもあります。
2つ目は、担保対象となる不動産の違いです。住宅ローンは、居住用の土地や建物が対象ですが、不動産担保ローンは、自身や親族所有の土地や不動産、駐車場なども担保にできます。
3つ目は、金利の違いです。金利は、住宅ローンより不動産担保ローンの方が高い傾向にあります。
住宅ローンの金利は、金融機関ごとに適用条件は異なりますが、変動金利は年0.319%〜、フラット35の固定金利では年1.84%〜などとなっています。(2024年3月時点)。
いっぽう、不動産担保ローンは、銀行系はおおよそ0.90%〜9.00%、ノンバンク系だと2.5%〜13.00%前後です。
その他、利用限度額や返済期間、団体信用生命保険(団信)の有無など金融機関によって内容が異なるため、詳細は取扱い金融機関に確認しましょう。
団体信用生命保険(団信)とは?
住宅ローンを組む際に「団体信用生命保険(団信)」という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。
団体信用生命保険(以下、団信)は、金融機関が保険契約者、住宅ローン契約者を被保険者とする保険です。
ローン契約者が、返済中に死亡もしくは高度障害状態など万が一のことがあった場合、生命保険会社から住宅ローンの残高と同額の保険金が金融機関に支払われ、債務が弁済されます。
つまり、万が一の場合でも「のこされたご家族の住居を守ることができる」のが団信です。
フラット35では、団信は任意加入であるように、加入自体は必須ではありませんが、多くの金融機関が融資条件としているのが現状です。ただし、団信は生命保険のため、誰でも加入できるわけではありません。
ローン契約者は、健康状態や持病の有無などを正しく告知する義務があり、内容によっては加入できない場合もあります。
プランによって保障範囲が異なる
団信のなかには、死亡や高度障害などを保障している場合があり、プランによって保障範囲を広げることができます。
たとえば、特約としてがん・急性心筋梗塞・脳卒中などの三大疾病や八大疾病(三大疾病に加えて、糖尿病、高血圧症、肝疾患、慢性腎不全、慢性膵炎)で所定の状態となった場合も保障しているプランもあります。
取扱い金融機関によって保障範囲や保障内容が異なるため、団信を検討の際は事前に確認しておくとよいでしょう。
不動産担保ローンでも団信に加入できる?

個人で住宅ローンの審査に落ちてしまった場合でも、不動産担保ローンは物件の評価や総合的な判断で審査に通る可能性があります。
不動産担保ローンでも、団信に加入できるのでしょうか。
一部の金融機関では、不動産担保ローンを組む際に無料付帯もしくは任意で団信に加入できます。
ただし、団信付きの不動産担保ローンの金利は、団信なしの金利より高い傾向があるため注意が必要です。
不動産担保ローンで団信に加入するメリット
不動産担保ローンで団信に加入するメリットは、大きく分けて3つあります。
- 万が一の場合は返済が不要になる
- 家族に不動産をのこせる
- 生命保険の見直しができる
それぞれ詳しくみていきましょう。
メリット①万が一の場合は返済が不要になる
不動産担保ローンを返済中に、死亡もしくは高度障害状態など万が一のことがあった場合、生命保険会社からローンの残高と同額の保険金が金融機関に支払われ、債務が弁済されます。
団信に加入すれば、ローン契約者の家族に経済的な負担がかかる可能性を減らすことができます。
メリット②負債がない状態で家族に不動産をのこせる
不動産担保ローン契約者に万が一のことが起こり、返済が困難となった場合は、担保に入れていた土地や建物を失う可能性があります。
いっぽう、団信に加入していれば、負債は相殺されご家族には不動産をのこすことができます。
メリット③生命保険の見直しができる
団信を利用する際は、加入中の生命保険もあわせて確認しましょう。
たとえば、団信の保障内容と加入中の生命保険の保障内容が重複している場合や、過剰になる場合は、生命保険の解約・見直しを検討するとよいでしょう。
ただし、団信はあくまでもローンの弁済に充てられ、ご完済後は保障がなくなるため、保障の減らしすぎには注意です。
加入し直す年齢が上がると保険料も上がり、ご自身の健康状態によっては再加入ができないケースがあるためです。
病気やケガの治療費などご自身にとって必要な医療保険や収入減に備える保障などには別途備えておく必要があるでしょう。
不動産担保ローンで団信に加入するデメリット
不動産担保ローンで団信に加入する場合は、デメリットもあります。
- 不動産担保ローンの金利が高くなる
- 健康状態次第では、加入できない
- 途中解約・再加入できない場合がある
以下、詳細を解説します。
デメリット①不動産担保ローンの金利が高くなる
一般的に、団信の保険料は不動産担保ローンの金利に組み込まれます。
そのため、団信が付帯されていない場合に比べて、0.1%~0.3%ほど高くなる傾向があります。
デメリット②健康状態次第では加入できない
団信は、あくまでも生命保険のため、加入時には保険会社による診査が必要です。
ローン契約者は、健康状態や持病の有無などを正しく告知する義務があり、結果によっては加入できない可能性があります。
デメリット③途中解約・再加入できない場合がある
団信加入後に、特約を途中で追加したり解約したりできないのが一般的です。また、途中で解約すると再加入もできません。
そのため、加入時に団信の条件をよく確認することが大切です。
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なお、AGビジネスサポートが提供する「不動産担保ビジネスローン」「不動産担保カードローン」では団信にご加入いただけません。
※申込時間帯によっては対応できない場合があります。※本審査の結果、ご希望に添えない場合もございます。
※法人契約の場合は原則代表者の連帯保証が必要です。また、担保提供者の連帯保証が必要な場合があります。
団信付き不動産担保ローンへの加入は慎重に
不動産担保ローンは、所有する不動産を担保として借入れする方法です。
個人向けで資金用途を問わないものや、法人や個人事業主向けのビジネスローンで事業資金や納税資金などの利用に限定されるものもあります。
また、不動産担保ローンのなかには、住宅ローンのように団信に任意加入や、無料付帯されている不動産担保ローンもあります。
団信付きの不動産担保ローンに加入するかどうかは、メリット・デメリットを理解した上で、慎重に検討しましょう。
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- 監修者
- 竹下 昌成
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- プロフィール
- 大家業、TAC講師、竹下FP事務所代表。1971年生まれ。兵庫県西宮市在住。立教大学卒業後、地銀やノンバンク、住宅メーカーFPを経て現職。30歳から大家業をスタート、45歳でFIRE。年間家賃収入3,600万円。得意分野は住宅購入と不動産投資。
- 資格情報
- CFP、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、住宅ローンアドバイザーほか
- https://mbp-japan.com/hyogo/fp-takeshita/